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トムは真夜中の庭で [本(児童書)]


トムは真夜中の庭で


フィリパ・ピアスさんの『トムは真夜中の庭で』

夏の間、おじさんのアパートで暮らすことになったトム。
友達もいないし庭もない生活が退屈でしかたない。
真夜中、眠れないトムが大時計が時を打つのを数えていると、打つはずのない13時。
時計に誘われるように裏口の扉を開けると、ないはずの庭園があった。

トムは真夜中そっとベットを抜け出し、その庭園へと行くようになる。
そこでハティという女の子と出会う。
庭園はいつも同じではなく、時間も季節も違う。
そして小さな女の子だったハティは、徐々に成長しトムを追い越してしまう。
大人の女性へと近づくにつれ、ハティの目にはトムが薄らいでいく…

イギリスの庭園の描写がすばらしく、引き込まれていく。
時間という抽象的なテーマを扱う話はよくあるけれど、この話は幻想的で美しい。
時間も年齢もすべてを超えたラストは、その前の切ない叫びを包み込むあたたかさと
深い愛情に満ちている。

なんとなく表紙の絵が怖くて、子供の時には読もうとしなかった。
(全然怖い話じゃなかったのに…笑)
児童書なので、もちろん子供達にも読んでほしいとは思うが、大人が読んでもいい。
忘れていた子供時代を懐かしく思い出すような年代の人にぜひ。

裏口を開けたら見たこともない庭園が…なんてことがあったらすばらしいだろうなぁ。

タグ: イギリス
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