童話物語 [本(児童書)]
向山貴彦さんの『童話物語』
地上へ人間の観察にやってきた妖精フィツは、性格のまがった少女ペチカと出会う。
小さな田舎町で孤児のペチカは、いじめられ、裏切られ、生きて行くのに精一杯。
…そりゃ性格も悪くなるさと思う。
町を逃げ出しはじめてやさしさに触れていく。
はじめは受け入れることのできないペチカも、やがて新しい生活の中で人を思い合う
やさしさを理解していく。
いじめる側だったルージャン、そしてフィツも、守られることなく1人で生きるつらさ
限りある命の大切さを知り、ペチカのつらさを理解していく。
少しお話の設定が大きすぎて、話がそれについていってない感じが少し残念な気もする。
もっと身近な設定だったほうがよかったような…と思うのは個人的好みの問題。
でもそういうことを気にせず、登場人物の心の成長や大切な人を思い合う気持ちに焦点を
当てて読んでほしいかな。
前半は少し読み進めづらいが、後半は涙ボロボロ(あ、私はね)
他人を自分のことのように思えるようになった時、様々なことを学び、後悔し、やさしさを
身につけ成長していく。
そして過去を憎むをやめ、ゆるすことができてはじめて解き放たれる。
何一つ変わらない、永遠な妖精の世界を『悲しい世界』と言ったルージャン。
限りある命、変わっていく世界…醜くもあり、美しい。
私も永遠の変わらない世界より好きだなぁ。
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