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かなしみ [ひとりごと]

何も悲しいことがないのに、ふいに街中で悲しみにつきまとわれるはめに…

青山の用事を済ませて、渋谷へ向かう。
昔からなぜかこのへんを一人で歩くのは苦手だ。

今日もなんでだか悲しくなる。うう…こりゃまずい。
家には帰れないなぁとぼんやり思う。
とりあえず、途中下車して本屋なんかをめぐる。
本を読むと少し浮上する。
でも外はだめだ。

地元に着いても、どうもつきまとわれたまま。
しかたがないので、自転車でまた本屋寄ったり遠回り。

ふぅ。
お腹へった。
悲しくても腹はへる。
家帰るかな

何となく悪いものを運んでしまうようで、家に入るのをためらう。

『ただいまー』
っとチャク(亀)と目が合う。
『やっと帰ってきた!オレ様と遊べ』とチャクがはしゃぐ。
 ………。

一気に空気が軽くなる。
奴のアホづら見たら悲しみ退散か?チャクおそるべし。

でも、かすかにまだ残る悲しみ。
どっからやってきたのやら。


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